https://www.oricon.co.jp/news/2447080/full/
弊社でも卒業生が働いている専門スクール「バンタン」の入学式にて、
お笑い芸人の粗品さんが行ったスピーチが話題になっていました。
スピーチの詳細は上記リンクよりご覧ください。
個人的にも非常に響く内容であり、
ちょうど若手デザイナーの方々が直面しやすいテーマだと感じたため、
ご紹介と感想を書いていきます。
正直に言うと、今の時代は
必ずしも“本物”が正しく評価されるとは限りません。
むしろ、
・表面だけ整えたもの
・写真や見せ方で魅力的に見せたもの
・流行のものをOEMに任せて作られたもの
こういったものの方が、最初は評価されやすい傾向があります。
ファストファッションに代表される「売れる仕組み」
私は前職ファストファッション会社にいましたが
トレンドを素早く形にして売る仕組みは非常に優れています。
ただし、それは“売れること”に最適化された設計です。
服作りにおいて、
生地・デザイン・パターン・縫製といった本質的な部分を深く突き詰めなくても、
ある程度のクオリティに見せて販売することは、今の時代それほど難しくありません。
言い方は悪いですが、
“ニセモノが売れる”状況は確実に存在しています。
なぜそれが起きるのか
理由はシンプルで、
「分かりやすさ」が優先されるからです。
・インパクトがある
・一目で理解できる
・SNSで拡散されやすい
こういった要素を持つものは、どうしても入口で強い。
逆に、
・細部へのこだわり
・見えない部分の精度
・長く使って初めて分かる価値
こうしたものは、どうしても伝わりづらい。
だからこそ、
真面目に突き詰めている人ほど、最初は報われにくい構造があります。
それでも、積み上げたものは消えない
ただ、ここで終わりではありません。
生地、デザイン、パターン、縫製、プレス――
こうした工程を一つひとつ突き詰めていくと、確実に差は生まれます。
その差は、短期では見えません。
しかし長い目で見たとき、必ずどこかで評価されます。
・着心地の違い
・シルエットの美しさ
・耐久性や再現性
こういった部分は、時間が経つほど誤魔化せなくなるからです。
若手デザイナーの方へ
これからの時代、
「なぜあれが売れるのか」と感じる場面は必ず出てきます。
そのときに、
流されて同じやり方を選ぶのか
それとも、自分の軸を持って積み上げるのか
ここが大きな分岐点になります。
決して否定するものではなく
ここまで書きましたが、分かりやすいものを否定するつもりはありません。
私も入口は分かりやすくすることに努めています。このHP(入口)も
まずは知ってもらうことが大切であり、入口を分かりやすくすることも重要だと思っています。
ただ、その先でどれだけ向き合えるか。
お客様一人ひとりに寄り添い、より深い価値へと導けるか。
そこに、本当の差が生まれるのではないでしょうか。
そういう背景を理解した上で、見えない工程も手を抜かず、一着一着と向き合っています。
マーヤ縫製工場 菅谷正