1959 → 2059

株式会社マーヤ 高級婦人服縫製工場

MADE IN JAPANの技術継承 信頼と実績

サンプルから量産 布帛生地オールアイテムに

対応する技術力 デザイナーと近い距離

東京と千葉を拠点に長年蓄積してきました

[製品技術認定制度足立区ブランド認定企業

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STORY

東京都足立区にある株式会社マーヤも、生産数ではなく「質」重視にすることで、厳しいアパレル業界を生き残ってきた数少ない縫製工場の1つである。最盛期には100名の従業員が働いていたが、親会社が倒産したのを機にぎりぎりの経営状況に追い込まれる。このままでは厳しいと、高級婦人服の路線に転向することを決める。現在、従業員は千葉にもある工場と合わせて全部で25名。月に2000枚ほどの服をつくっている。

低単価の量産型から高単価少量生産へ。そう言うのは簡単だが、ある日突然職人の腕が上がるわけではない。どのように方針転換していったのだろう?

まず、菅谷 智社長が値段を上げるにあたって導入したのが「1秒1円」という独自の換算基準だった。交渉時にクライアントに納得してもらいやすいよう、作業にかかる時間を数字で表すようにしたのである。ただでさえアパレルの生産は海外への流出が始まり仕事が減り続けていた時期で、他社には、きた仕事はどれほど安くても断らずに受ける工場が多かった。

「なんでお宅だけそんなに高いの? って言われるわけです。そこで、ボタン付けするのに最低100秒はかかります、うちは『1秒1円』なんで100円は必要です。10秒じゃボタン付け無理でしょうと説明する。そもそも、ボタン付けを10円で引き受けてしまうほうがおかしいんです。実際にそうやって多くの工場がつぶれていきましたから」

工場内の目標数値も、個数ではなく金額で表示した。マーヤの工場のホワイトボードには「本日の目標生産額〇〇円」といった金額が記載されている。衣服に限らず、一般的な製造工場では、「目標生産数○○個」といったふうに、数の記載があるところが多い。そこをあえて金額で記しているのは「数より質」を大事にしていることの表れだ。そのことが働き手にも伝わりやすい。

さらには、請け負っている仕事の工賃や、会社全体でいくら稼いでいるかといった数字を、従業員に対してオープンにした。「みんなにお給料を支払うにはあとこれくらい頑張らないといけない」という数字を可視化したのだ。

この時期、菅谷社長が自身の肝に銘じたのは「量を我慢する」ことだったという。
「今まではこの質でよかったけど、これからのクライアントにはこの質ではダメだと徹底するために、何度もやり直すわけです。だから最初は採算度外視だよね。そのときに、数を欲張ると質が上がらない。ぐっと我慢して、1日に数は多くできなくてもいいと。クオリティを上げることにだけ注力しました」

そして、意外と一番ハードルが高いのではないかと想像するのは、金額の見合わないクライアントの仕事をきっぱり断ったことだ。

そうして少量高単価の方向で技術力を積み上げてきた結果、マーヤが今どういう立ち位置にいるかといえば、都内で高級婦人服をオールアイテム手がけることのできる、3本の指に入る高技術をもつ工場になっている。

服づくりの技術といっても素人目にはわかりにくいが、たとえばサテンやシルクなど薄い生地を使う繊細な服の縫製やミシンかけには高い技術力を要する。今、マーヤでは数は全部で20枚しかつくらないが売値が何十万円もするプレタポルテ(高級な既製服)や、特殊な生地を用いた限定品などの仕事が多い。一度は金額が見合わず断ったものの、ほかにできる工場が見つからなかったからと、再びマーヤの元へ戻ってくるケースも少なくない。

マーヤと付き合いのある、業界に詳しい商品企画の担当者によれば、OEMの受注工場で、クライアント相手にマーヤほど金額交渉をできる強い工場はほかにないという。「仕事があれば赤字でもやりたいってところがほとんどですから」。

4年前から菅谷社長の息子の正さんが工場長として働いており、自社ブランドの商品開発も少しずつ進めている。正さんいわく、衣服の国内生産率が下がり続けるなか、新規参入するところなどないだろうというアパレル加工の業界。それでも「繊細な服づくりに人の手は欠かせません。AIには絶対できない仕事ですから。需要がなくなることはないと思う」。

厳しい業界にありながらも、つくる量を変えたことで、マーヤは足腰の強い、自立性の高い工場になった。低単価量産型から高単価少量生産のものづくりへ、ただビジネスモデルを変えただけに見えるかもしれない。けれどこの話の本質は、その転向によって、マーヤが他に〝代えの利かない存在になった〞点にある。

  甲斐かおり著書

『ほどよい量をつくる』

インプレス2019年9月25日刊 抜粋

COMPANY

本社工場 東京都 足立区 椿 2-8-5
アクセス ■日暮里舎人ライナー
「西新井大師西駅」徒歩15分

■東武スカイツリーライン
「西新井駅」西口から  
・国際興業バス【赤27】
環七経由赤羽駅東口行き乗車
「椿二丁目」下車 徒歩3分

■JR「赤羽駅」東口から
・国際興業バス【赤26】
環七経由舎人団地行き乗車
「椿二丁目」下車 徒歩3分
・国際興業バス【赤27】
環七経由西新井駅行き乗車
「椿二丁目」下車 徒歩3分
会社名 株式会社 マーヤ
代表取締役 菅谷 智
支社工場 千葉県 香取市 観音 82-1
従業員数 東京工場 10名(パート含む)
千葉工場 12名(すべて社員)
資本金 1000万円
営業時間 08:20 ~ 17:30
メール info@marya.tokyo
電話番号 03-3899-5975
CAD·CAM SHIMA SEIKI
YUKA&ALPHA
沿革 1959
菅谷 重が東京都北区豊島に
スガヤ洋裁所設立
1963 
東京都足立区椿に工場移転
1970
社名 有限会社マーヤドレス
1976 
千葉県佐原に第2工場
1985 
香取市観音に第2工場移転
1990 
社名 株式会社マーヤ
2000
代表取締役社長 菅谷 智
2018
企画製造商品販売/ファクトリエ
2019
足立区ブランド企業認定
2020
医療用ガウン/布マスク緊急生産
2021
島精機CAD/CAM導入
取引先ブランド ANAYI
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